アルヴァ・アアルト展に行って


フィンランドの建築家アアルトの展覧会が、葉山の神奈川県立近代美術館で開催されています。今年で生誕120年になるとのことです。
アアルトはル・コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエなどとともに近代建築の巨匠の一人です。コルビュジェやミースが地域にとらわれないインターナショナルなスタイルをめざしたのに対し、アアルトの建築からは彼らとは違った地域性や自然とのかかわり、そして何よりも人間的な温かみが感じられます。アアルトをはじめ、北欧のデザインはミニマルな形態や有機的な形態の中にどこか素朴な温かさがあり、シンプルなデザインであっても人間的な優しさと文化的な豊かさに満ちているように感じます。

僕は自分自身が住む家の好みを考えるときは、いつもアアルトの設計した住宅から影響を受けてきた気がします。レンガや木など素朴な素材は妻の好みとも合って自邸にはいつもどこかに取り入れてきました。素材感と、多少日曜大工的なラフな部分もあったりする気楽な家に暮らすのが好きなところが合っているのかもしれません。住宅に対する価値観やスタイルが決めつけられすぎて、個人の好みやライフスタイルを許容できない家はあまり好きではありません。アアルトの住宅のように、より生活に根ざしたゆとりある人間的な家でありたいと思っています。

 

アアルトは建築だけでなく、家具や照明器具、ガラス器など多くのデザインを手がけてきました。アアルトの椅子は発表されてから80年以上経ているものもあるのに、いまだにそのデザインには現代性があることに驚かされます。アアルトの椅子は北欧デンマークのハンス・ヴェグナーの椅子とともに今でも建築家に人気があります。僕も設計した家に使わせてもらったことがあります。今回の展示では、アアルトの代表的な家具が並べられ、体験できる特設コーナーがありました。

 


今回展示されているアアルトの椅子の数々

 

 


こちらは美術館の中庭に設置された「こけし」(イサム・ノグチ作)
鎌倉の近美の中庭からこちら葉山へお引越し。

おひさしぶり。
こけしさんもお元気そうでなによりです。

2018年11月20日