パリ再訪(1)<南仏プロヴァンスの家>

<南仏プロヴァンスの家>

3月パリ滞在中に、足をのばしてプロヴァンスを訪れることができました。
プロヴァンスはピーター・メイルの本『南仏プロヴァンスの12か月』でも有名ですが、出版から20年以上たった今でも、本に書かれていたイメージそのままに感じたところが多くありました。
ちょうど咲いていたアーモンドの花、冬の激しい北風から守るための窓の鎧戸、石造りの家。のんびりと作業している工事の人達。
特に、家々の壁や床の石は印象的で、このリュベロン地方に産する豊富な石によるもの。白っぽいクリーム色から淡いベージュ、灰色がかったベージュまで色の階層と質感がおりなす景観は見事。石の積み方、造り方も様々ですが、全て経年の美を感じさせるものでした。

リュベロンの村 ロリス

リュベロンの村 ゴルド

日本の住宅販売における「プロヴァンス風」などの営業イメージ戦略とははるかにかけ離れ、地域で産出される材料、気候風土からきた本物がここにはあるという実感でした。
どれだけ表面的に似せようと思っても、カタログ化、工業化されたパーツの組み合わせや、機能性能が優先される今の日本の家のつくり方では到底届きそうにもない経年の美がここにはあります。時間を経た美しさ、古いもの、手づくり感を大切に活かしながら、少しずつ手を加え、自分達の味を出していく、その生活感こそ参考にすべきエッセンスのような気がします。

プロヴァンスの人達に人気のリル・シュル・ラ・ソルグ。
日曜日はアンティーク市で賑わっています。




2018年05月14日